
Ford GT40
1963年、フォード社はイメージアップのため、モータスポーツに参戦することを決定。独自のチームを結成するのではなく、
既存のチームを買収する方法が選択された。そこで選ばれたのがフェラーリであり、創始者のエンツォと交渉が進められた。
エンツォは、買収額としてフォードに1800万ドルを提示。しかし、レースを継続したいエンツォと、
フォードのレース部門であるシェルビー・アメリカンの扱いが問題となり、最終的にこの話は破談になった。
そして、フォードはフェラーリを倒すために、独自にレーシングモデルを製作することにした。
実際に製作したのは、新たにイギリスに設立されたフォード・アドバンスド・ビークルズ社で、ベースとなったのは
1963年のロンドン・レーシングカー・ショーでに発表された、ツインチューブ構造を持つローラ社のGTというレーシングモデル。
シャシーを製作したのはアビー・パネルズ社、ボディを担当したのはスペシャライズドモールディング社。
モータースポーツでは有名なメーカーであり、風洞実験により空力が追求されている。
エンジンは、インディ用に開発が進められていたアルミニウム製の4.2リットル水冷V型8気筒OHVを搭載。
1964年4月、「フォードGT40」という名前で、発表された。
1964年のニュルブルクリンクで開催された1000kmレースに出場するが、結果はリタイヤに終わった。
続いて、ル・マン24時間耐久レースに、3台が出場。ラップ・レコードとル・マン初の300km/hオーバーを記録するが、全車リタイヤ。
フェラーリは6台の275Pを送り込み、優勝を飾る。1965年からは、フォード・アドバンスド・ビークルズ社に代わって、GTクラスで実績のある
シェルビー・アメリカンがレース活動を担当することになった。フォード・アドバンスド・ビークルズ社は、ホモロゲーション取得用の
市販車の開発/制作を受け持つようになる。この市販バージョンの車高が40インチ(1016mm)だったことから、「GT40」と呼ばれるようになった。
1965年のル・マン24時間耐久レースには、4台のワークス・マシンが参加。ラップ・レコードと最高速度記録を更新するが、
トラブルで全車リタイヤとなった。そこで、信頼性と耐久性を向上させるため、マーク2が開発された。
シャシーをはじめ、各部分が改良されるとともに、エンジンも427と呼ばれるビッグブロックのシェルビーの7リットルに変更。
キャブレターもウェーバー社製からホーリー社製に変わったほか、ル・マンの規定変更によりフロントにスペアタイヤを搭載したため、
デザインも若干手直しを受けている。1966年のル・マン24時間耐久レースには、シェルビー・アメリカンをはじめとする
ワークスマシンとして8台のマーク2、プライベーターとして5台のマーク1が出場。フェラーリは4リットル水冷V型12気筒エンジンを搭載した
330P3で対抗するが、GT40はブルース・マクラーレン/クリス・エイモンのドライブよって、アメリカのマシンとしては初めてル・マンを制覇。
しかも、1-2-3という快挙を成し遂げた。1967年は、新設計のアルミニウム製ハニカム構造のシャシーを持つマーク4を開発。
このマーク4によって、フォードはル・マンにおいて2連覇を達成。ワークス活動から撤退するが、
市販モデルのGT40をベースにプライベーターが参戦を継続。結果、フォードGTは1969年までル・マン4連覇を果たす。
フォードGTの生産台数は113台。市販版のGT40は、1965年から1971年の間にロードモデルが31台、
レーシングモデルが48台生産された。そのほか、未完成のシャシーやだいぶ後になってから完成した個体も存在する。
マーク3は、市販バージョン用にマーク1をデチューンしたもの。ヘッドライトは丸目で、ラゲッジスペース確保のためにボディが
20cm以上延長され、内装も変更されている。シャシーはスチールモノコックで、ボディカウルは軽量なファイバーを使用。
フロントとリアのカウルは整備性を考慮し、大きく開閉する構造になっている。ノーズから入ったエアはラジエーターを冷却し、
ボンネットのダクトから排出される。Aピラーの左右の付け根部分には、給油口が設置されている。車高が低いため、乗降しやすいように
ルーフは大きくえぐれ、その分ドアとつながっている。サイドウインドウは軽量なプラスチックのハメ殺しタイプで、わずかしか開かない。
サイドウインドウ後方とボディサイドには、エンジン冷却用のダクトが設けられている。エンジンカバーはアクリル製で、
外から眺めることができるようになっている。レーシングマシンであるため、エアクリーナーボックス、マフラーサイレンサーは装備されない。
インテリアはシンプルで、基本的に右ハンドル車として生産されている。バケットタイプのシートは固定されており、
ドライビングポジションはペダルで調整する。H型のレーシングパターンを持つシフトは、レーシングカー同様、右側にレイアウトされている。
サイドシルの幅がかなり広いが、ドアはルーフまで切込みが入っており、乗り降りしやすいように工夫されている。
なお、2003年1月のデトロイト・ショーにおいて、創立100年記念車として、このGT40のリバイバル版が発表された。




![]() 角目のライト |
![]() エア排出用のエアダクト |
![]() 左右にある給油口 |
![]() これしか開かないハメ殺しの窓 |
![]() サイドとウインドウ後方のダクト |
![]() ルーフまで切れ込みを持つドア |
![]() 外から見ることができるエンジン |
![]() センター出しマフラー |
| 発表年 | 1964 |
| 生産年 | 1964〜1971 |
| 生産台数 | 113 |
| シャシー | スチールモノコック |
| 全長×全幅×全高(mm) | 4178×1778×1030 |
| ホールベース(mm) | 2413 |
| トレッド前後(mm) | 1397/1397 |
| 車両総重量(kg) | 907 |
| エンジン | 水冷V型8気筒OHV |
| ボア×ストローク(mm) | 101.6×72.9 |
| 総排気量(cc) | 4736 |
| 燃料供給 | キャブレター |
| 圧縮比 | 10.0 |
| 最高出力(PS/rpm) | 380/6500 |
| 最大トルク(kgm/rpm) | 45.6/5500 |
| エンジン搭載位置 | ミッドシップ縦置き |
| 駆動方式 | 後輪駆動 |
| トランスミッション | 5速MT |
| 最高速度(km/h) | 330オーバー |
| ステアリング | ラック&ピニオン |
| サスペンション | ダブルウィッシュボーン(F)、トレーディングアーム(R) |
| ブレーキ | 前後ベンチレーテッド・ディスク |
| ホイール | 6.5J×15(F)、8.0J×15(R) |
| タイヤ | 139.7(F)、177.8(R) |
| 乗員定員(名) | 2 |
(C)Copyright 2005 SUPERCAR NET, All Rights Reserved.